論文発表

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チタニアナノシートに関する論文が出版されました。

修士課程の学生である佐藤君と熊本大学・原正大先生および船津麻美先生との共同研究の成果が出版されました。

Masaya Sato, Masahiro Hara, Asami Funatsu, and Ryo Nouchi*:
“Tolerance against conducting filament formation in nanosheet-derived titania thin films”
Nano Ex. 1 (2020) 010034.

光触媒などに用いられるチタニアの薄膜を、チタニアナノシート薄膜のアナターゼ変態により形成しました。こうして作製したチタニア薄膜は、他の手法で形成されたものと比較して、抵抗変化型スイッチングに対する耐性が高いことを見出しました。これは、用いたナノシート(Ti0.87O2)のO/Ti比がチタニア(TiO2)よりも大きいために、得られたチタニア膜中の酸素欠損密度が少なくなった結果、電界印加に伴う酸素欠損の動きによって起こる抵抗変化型スイッチングが観測されづらくなったものと考えられます。ナノシート由来のチタニア膜がスイッチング素子よりも誘電体応用に向いていることを示した成果です。