論文発表

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グラフェン表面反応の電界制御に関する論文が出版されました。

修士課程の学生だった池田君との共同研究の成果が出版されました。

Ryo Nouchi* and Kei-ichiro Ikeda:
“Photochemical reaction on graphene surfaces controlled by substrate-surface modification with polar self-assembled monolayers”
Phys. Chem. Chem. Phys. 22 (2020) 1268-1275.

電界効果トランジスタのゲート電圧印加と同様の作用を起こすものとして、極性分子の自己組織化単分子膜が形成する局所電界を用いることにより、化学反応の制御が可能であることを示しました。具体的には、SiO2基板表面を極性基含有分子で修飾し、その上に形成したグラフェンの過酸化ベンゾイルに対する光化学反応性が、極性基の双極子の向きで制御可能であることを見出しました。これは、局所電界でグラフェンのFermi準位が変わり、過酸化ベンゾイルの光解離で形成されたアリールラジカルとの間の電子移動量を変調した結果、アリール付加反応の度合いが制御されたと理解できます。外部電源を用いずとも電界制御が可能であることを示した成果です。