有機半導体工学研究グループ

教授
内藤 裕義
Hiroyoshi Naito

B4棟1階W119 [内線6521]

准教授
小林 隆史
Takashi Kobayashi

B4棟1階W118 [内線6520]

准教授
永瀬 隆
Takashi Nagase

B4棟1階W118 [内線6525]

 

内藤研究室では有機材料の光物性、電子物性、およびその工学的応用に関する研究を行っています。プラスチックに代表される有機材料は一般に絶縁体と思われがちですが、ある種の有機材料は半導体的性質を有しており、優れた電子輸送特性や発光特性を示します。したがって、これまではSiやGaAsなどの無機半導体の独壇場であったトランジスタ、太陽電池、発光素子などの電子デバイスを、有機材料によっても実現することができるのです。有機材料を用いるメリットは、分子構造がほぼ無限に存在するため、多様化する技術的要求を広い範囲にわたって満足できる点にあります。これは元素または化合物の種類が限られた無機半導体とは対照的です。その結果、発光デバイスの場合、有機材料ならばどんな発光色でも実現できる可能性があるのです。有機材料のもう一つのメリットは、電子デバイスを印刷技術によって製造できる点です。具体的には微細パターンを印刷できるインクジェット印刷や、新聞などの大量印刷に用いられるロール印刷などがあります。これらの技術により、比較的容易に大型のディスプレイやパネル照明を作製することができ、さらにはプラスチックなどのフレキシブル基板を用いることで、軽量で折り曲げられるトランジスタや太陽電池なども実現可能になると期待されています。もちろん印刷技術によって製造コストが抑えられることも大きなメリットの一つであり、現在問題になっている太陽光発電の発電コストも有機太陽電池により大幅に低減できるものと期待されています。それから有機材料は分子がひとつの安定な構造体であるため、これを用いた極限的に小さな電子デバイス(分子デバイス)を作製することが可能です。これはSiなどの集積回路で用いられる微細加工の限界を超えるナノテクノロジーとして注目を集めています。 このように様々な可能性を持つ有機材料ですが、現在実用化されているのは小型の有機ELディスプレイのみで、大型のディスプレイを含め、その他の応用はまだ研究段階にあります。内藤研究室では、それらの実用化または高性能化を目指した研究を進めています。特に、単なるデバイス開発だけではなく、評価手法の構築や、それを用いた動作機構の解明などを通じて、物理的な理解に基づいた高性能化のための指針を導くことを目指して研究活動を進めています。また他大学や公的研究機関、民間企業などとの共同研究も活発に行っています。