研究内容

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研究内容

【研究室概要】
従来技術の延長ではない革新的なエレクトロニクスの創生を目標として研究に取り組んでいます。半導体、誘電体、磁性体などの機能性物質の基礎となる物性物理学と、薄膜成長技術やマイクロマシン工学、エレクトロニクスを融合させ、イノベーション創出を促す新規な物性や材料の探索からデバイスの設計、動作実証までを包括的に進めています。特に、エネルギー効率の良い脳型演算素子、安全・安心な社会の構築に必要とされるエッジセンシングデバイス、医療分野への応用を目指したMEMSデバイス等の創出によって社会課題を解決し、well-beingな未来社会の実現に取り組んでいます。

【背景】
IT(情報技術)の進歩は目覚しく、私たちの生活はとても便利になってきました。しかしながら、安全・安心・エネルギー分野に貢献する科学技術は、さらに 革新的な発展が必要であることは言うまでもありません。例えば、私たちの生活を支える重要な大量の情報をより早く、正確に伝えるという技術は、生命体の足 元にも及びません。数GHzの演算素子を内蔵したコンピュータが安価な値段で買えるのですが、脳のクロック数(演算素子がデータを処理する速度を表した数 値)は高々1kHzです。並列処理をしたり、大事でないものは忘れたり、大切なことを学習したりすることが大変重要になります。このように、生命体に学 び、生命体を超えるような技術を構築するためには、電子や光、磁性スピン、双極子などを従来の概念にとらわれずに様々な方法で利用することが必要になりま す。

【研究方針】
従来の半導体素子、駆動素子、センサーとは異なる動作原理を構築するために、1)新しい物質の創製とその安価な作製方法の構築、2)物質の組み合わせに よって生じる新しい物性、3)サイズ、形状の利用(量子効果、界面効果)、4)新しいデバイス動作原理の構築、の4つの指針で研究を進めています。

【主な研究テーマ】
■強誘電体をゲート絶縁膜に用いたトランジスタ型ニューロモルフィック素子の開発

■強相関系物質を用いた赤外線~テラヘルツセンサー

■磁気的な性質を有する強誘電体の基礎物性

■大気圧非平衡プラズマを用いたパワーデバイスの創製

■酸化物ヘテロ界面を用いた量子デバイス、パワーデバイスの開発

■圧電効果を用いた振動発電素子の開発

■医療分野向け圧電MEMSデバイスの開発

■有機強誘電体のエネルギー変換応用に関する研究

pe7_02             圧電MEMS振動発電

大気圧プラズマ                                                      圧電MEMS振動発電素子

 

pe7_09

薄膜試料の電気特性評価